コラム

コラム15回目 4/30


今日までの3日間、TBS緑山スタジオにドラマの介護技術指導に通っていました。
ドラマのタイトルは「再婚一直線」(独身の自分には縁起でもないタイトルですが(苦笑))
5月12日(月)昼1時からTBS系列で放送予定です。
内容は井森美幸さん演じる売れない漫画家が仕事にかこつけて育児も家事も夫にまかせきり。そんな状況に優しい夫も堪忍袋が切れて、離婚を突きつけ、子供をつれて出ていってしまった。失って気づく家族の大事さ。再婚と漫画家としての再生を目指し奮闘するというのがあらすじです。
主人公が描く漫画の題材が介護ということもあり、今回お手伝いすることになりました。
ドラマの現場はもちろんはじめて。しかし、出演者やスタッフの方々が興味を持ってくれたおかげで、控え室では介護技術だけでなく「遊び」も交えて楽しんでいました。
リハーサル段階から見せていただき、技術やシチュエーションのアイデアもださせてもらいました。それを受けて演出家や俳優、スタッフの皆さんがさらに考え、その場でよりよいものを作っていくという過程を経験できました。
そんな中、印象に残ったことがありました。
足を投げ出して座り込んでいる方を立ち上がらせる技術に「添え立ち」というものがあります。しかし、主役の井森さんが、漫画雑誌編集長役の桑野信義さんを実際に介護するのには体格差もかなりあります。実際にはまったく動きませんでした。そこで撮影では「演技」として撮影をしました。まず、桑野さんに腕を組んでもらい、そこに井森さんが手を差し入れてキツネの手の状態でかけるようにします。そこでカメラが寄り、両者の腕をアップにします。通常ならば介護を受ける方の腕を引き上げるようなことはしませんが、それでは動きがないため、あえて引き上げることを撮影しました。
その演出プランに最初は戸惑いました。そんなことは実際にはしないと。
ところが、その後に二人が一緒に立ち上がる映像とつなげて見てみると、実際に添え立ちが出来ているように見えるのです。 事実に忠実なほうがかえって嘘のように見え、少し誇張したほうがリアルに見えてしまう。これは思わぬ展開だなぁ〜とプロの仕事に感心しきりでした。
演出家の方から「これで問題ありませんかね?」と聞かれ、「実際の技術としては、腕を引き上げることはないですが、映像的な効果を考えるとベストだと思います」と、正直な感想を言いました。
後からスタッフの方に聞くと、そういった演出に納得できない専門家の方も少なくないとのことです。この辺が現場の難しさなんでしょうね。
ともあれ、まったく異分野の現場に飛び込んでいくというのは、新たな気づきを得る良いきっかけとなるものだと実感した3日間でした。